当協会が実施している地方公務員健康状況等調査によると、精神及び行動の障害(いわゆる心の病気)は、「職員10万人当たりの主な疾病分類別長期病休者率」が一番高く、多くの地方公共団体にとって強い不安やストレスを抱えメンタル不調を起こした長期病休者への支援は大きな課題です。心の病気により休業した職員の職場復帰がスムーズに進まない事例も多く、休業を繰り返すこともあるなど職場復帰支援への関心は高まっていると考えられます。心の病気で休業している職員が職場復帰し滞りなく業務を行えるようになるためには、休業の開始から復帰までの流れをあらかじめ明確にしておくことが大切です。
本書では、産業保健スタッフ等の皆様にご活用いただくため、職場復帰支援の基本的な考え方と、休業開始から休業中のケア、職場復帰後のフォローアップまでの具体的な進め方をステップごとにわかりやすく解説しています。
監修:岡山大学大学院 医歯薬学総合研究所 疫学・衛生学分野 講師
医師・労働衛生コンサルタント
高尾 総司
増え続ける「心の健康問題」による長期病休者
再燃・再発することの多い「心の健康問題」
休業を繰り返す原因
休業を繰り返させないために職場がすべきこと
職場復帰支援に関わるスタッフとその役割
職場復帰支援の仕組みを確立する
STEP1 病気休業開始及び休業中のケア
STEP2 主治医による職場復帰可能の判断
STEP3 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
STEP4 最終的な職場復帰の決定
STEP5 職場復帰後のフォローアップ
2019年2月
B5 29頁 4色刷り